マラソンランナーのための食事戦略持久的体力のための栄養戦略…持久力を高める栄養学
走っているときに「いつもよりもペースが上がらないなぁ…」と感じたことはありませんか?
マラソンのような持久系競技では、適切な栄養摂取がパフォーマンスを大きく左右します。この記事では、最新の栄養学研究をもとに、マラソンランナーの持久力を最大化するための食事戦略について解説します。
持久力パフォーマンスを決める要因
持久的な運動においてより良いパフォーマンスを発揮するためには、適切な栄養摂取が必要不可欠です。例えば、最大酸素摂取量(V̇O2max)の75%に相当する最大下運動の継続時間は、事前の栄養摂取の影響を強く受け、糖質の摂取によって蓄えられた筋グリコーゲン量がその長短に寄与します。
グリコーゲンとは体内に蓄えられる糖質の一種で、特に持久力系のスポーツでは重要なエネルギー源となります。筋グリコーゲンが枯渇すると、極端な疲労感とパフォーマンスの低下を招きます。
従来のグリコーゲンローディング法
これまで筋グリコーゲンを蓄えるための栄養摂取方法としては、運動の3日前、遅くとも36時間前から1日体重1kgあたり8g〜12gの糖質を摂取するグリコーゲンローディング法が推奨されてきました。
しかし、ここで疑問が生じます。運動当日の栄養摂取はどうすべきなのでしょうか?そして、糖質だけに注目すべきなのでしょうか?
運動当日の栄養摂取…糖質vs脂質
スポーツ栄養研究誌の最新のシステマティック・レビューによると、運動当日の栄養摂取については、運動の1〜4時間前に体重1kgあたり1g〜4gの糖質を摂取することが推奨されています。
しかし興味深いことに、研究結果では、「運動前に高糖質食と高脂質食のどちらを摂取しても、持久性パフォーマンスに有意な差は見られなかった」ことが示されています。
この事実は従来の「運動前は糖質中心」という常識に一石を投じるものです。特に、複数の研究において、運動4時間前の高脂質食摂取が持久性パフォーマンスに悪影響を及ぼさなかったというデータは注目に値します。
マラソンランナーに最適な食事戦略
では、マラソンのような長時間の持久運動を行うランナーにとって、最適な食事戦略とは何でしょうか?研究結果と実践的な観点から考えてみましょう。
1. レース数日前のグリコーゲンローディング
レース3日前から体重1kgあたり8g〜12gの糖質を摂取し、筋グリコーゲン量を最大化しておくことは依然として重要です。具体的には、70kgのランナーなら560g〜840gの糖質を1日で摂ることになります。
実践例
- 朝食:オートミール(大盛り)、バナナ2本、はちみつ、牛乳
- 昼食:パスタ(大盛り)、鶏胸肉、野菜
- 間食:エネルギーバー、スポーツドリンク
- 夕食:米(大盛り)、魚または肉、野菜少量
- 就寝前:フルーツスムージー
2. レース前日の食事
レース前日は消化に良い高糖質食を中心に摂りつつ、脂質を極端に制限する必要はないようです。体重1kgあたり5g程度の糖質と適度な脂質を含む食事が理想的です。
実践例
- 朝食:トースト、卵、果物
- 昼食:玄米、鶏肉、アボカド、野菜
- 夕食:パスタ、オリーブオイル、サーモン、少量の野菜
3. レース当日の食事戦略
ここが最も重要なポイントです。研究によれば、レース4時間前の食事では、高糖質食だけでなく適度な脂質を含む食事でも持久性パフォーマンスに差はないことが示されています。
特に注目すべきは、ある研究では「4時間前の高脂質食摂取に加え、運動直前にマルトデキストリンを摂取した条件」が最もパフォーマンスが高かったという結果です。
実践的なレース当日の食事例
- レース4時間前:
- オプション1(高糖質):オートミール、バナナ、はちみつ、牛乳
- オプション2(バランス型):全粒粉トースト、卵、アボカド、果物
- レース30分前:
- エネルギージェルやマルトデキストリン飲料(約200kcal程度)
4. レース中の栄養補給
マラソンのような長時間運動では、レース中の栄養補給も重要です。1時間あたり30g〜60gの糖質を補給することで、筋グリコーゲンの節約と持久力の維持が可能になります。
実践例:
- 5km毎にエナジーゼリー(約20g糖質)
- 給水所でスポーツドリンク
個人差を考慮したアプローチ
研究結果は平均値を示すものであり、個人差があることを忘れてはなりません。自分自身の体調や消化の状態、過去の経験に基づいて食事内容を調整することが重要です。
特に、高脂質食は人によって消化に時間がかかることがあります。レース前に新しい食事法を試すのではなく、トレーニング期間中に様々な食事パターンを試して、自分に合った方法を見つけることをお勧めします。
最新の知見からの示唆
従来の「運動前は高糖質食のみ」という考え方から、より柔軟なアプローチへと視点が変わりつつあります。特に注目すべきは次の点です:
- 運動4時間前の食事では高脂質食でも持久性パフォーマンスに悪影響はない
- 高脂質食後の運動直前の糖質摂取が効果的な可能性がある
- 体重移動を伴うマラソンでは、食事の重量・容量も考慮すべき
まとめ
マラソンランナーにとって最適な食事戦略は、単に「高糖質」というだけでなく、タイミングや個人の特性を考慮した複合的なアプローチが必要です。
レース数日前からのグリコーゲンローディングは依然として重要ですが、レース当日の食事については、従来よりも柔軟なアプローチが可能かもしれません。特に「4時間前の適度な脂質を含む食事+運動直前の糖質摂取」という組み合わせは、検討する価値があります。
最終的には、自分自身の体と相談しながら、最適な食事戦略を見つけていくことが大切です。栄養摂取は、トレーニングと同様に重要なパフォーマンス向上の要素なのです。
京都・四条烏丸の”整体×パーソナルトレーニング”専門スタジオ「ベースコンディショニングラボ」では、マラソンランナーや持久系アスリートのためのパーソナライズされた栄養指導とトレーニング指導を提供しています。
今回参考にした文献
運動当日の栄養摂取が持久性パフォーマンスに及ぼす影響─摂取エネルギーに占める脂質エネルギー比の高い食事と糖質エネルギー比の高い食事を比較した研究のシステマティック・レビュー
https://www.jsna.org/cms/wp-content/uploads/2022/12/13-p016-024.pdf
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